Gibson j-50

Gibson j-50トータルリペアの御依頼を頂きました。

 

1960年代製でメンテナンスは今回が初めてだったそうです

全体的にとても綺麗でしたがやはり長年の苦労があちらこちらに今後も長く御使用いただきたい一心でリペアをさせて頂きました。

 

トップの膨らみやネックの反りでハイポジションの弦高は高くネックリセットという手段も考えにはありましたがこの先を見据えトップ並びにネック矯正で今回はリペアをさせて頂くことにしました

 

ビンテージ物ということもあり目標高まで矯正を行うのに4カ月近くお時間を頂きました

張力で膨らんできますので経過にも時間を頂き無事両矯正完了いたしました。

 

リペアを行う際はじめに御客様の御意見をしっかりと聞き求めておられる状態と音をしっかりと理解し私のリペアで状態は良くなってもその音が崩れてはまったくリペアの意味がないと私は思っているので、とにかく最初が肝心です

しっかりと理解でき迷いなく狙いが定まればリペアの何割かはこの時点で終了です。

 

今回も求めておられる音を崩さないよう細心の注意を払い挑ませて頂きました

後はすべて御客様に出来を評価していただくただそれだけです。

 

 

 

この度は工房220に御依頼を頂き誠にありがとうございました。

 

                       

                          工房220 松田拓夢 

 

 

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コメント: 2
  • #1

    長の字 (金曜日, 22 12月 2017 06:41)

    松田さん、リペアの工程を拝見して驚きました!何と丁寧で、神経が行き届いているのでしょう!お蔭様でギブソン君は見事に蘇りました。リペア終了後、元のいかにもギブソンらしい少し鼻づまり気味の渋い音が薄れたかもなぁと感じていたのですが、何と言うことでしょう!弾き込むうちにこれまでになかった音が出るようになってきたではありませんか!(←加藤みどりさんの声で)音量も格段に増しました。何よりも、軽いタッチでのレスポンスの良さには感動です。人前で弾くよりも、ひとりの部屋で愛でるようにいつまでも弾いていたくなるような、そんな愛おしいギブソン君です。さらに、録音してみると、ホントいい音で録れるんです!これからのライブでの主力選手であることは間違いありません。ちょっとDIの機種とかも再考を要するかもしれません。つまりできるだけ生音でやってみたい感じなのですね。とにかく!本当にありがとうございました!松田さんにリペアをお願いして本当に良かったです!一度ギブソン君と一緒に工房を訪れたいと思います。お世話になった入院先の先生に挨拶に行く・・みたいな感じでしょうか(^-^;これからもお身体にご留意され、島根になくてはならない名工として、そのリペアの秘術をふるいまくって下さい。

  • #2

    工房220 (金曜日, 22 12月 2017 11:30)

    長の字様

    心温かいコメントをお寄せいただきありがとうございます。

    喜んでいただけてとにかく良かった!!!もうその一言に尽きます
    リペアをさせていただく中で一番頭を悩ますのが御客様が愛してこられた音が私のリペアによって崩れないか崩さずより良く引き出すにはどうすべきか一番最初にとりかかる着手前のプラン作りです。

    これでいこうと狙いが定まっても焦らずプランを一晩寝かせ再びギターと自分に今一度問いかけリペア中に迷いのないようしっかりとその狙いが定まってから御客様の大切なギターに触れるよう心がけています。

    私もGibson愛用者の一人です20代の頃は色々と弾いてきましたビンテージ物も当時は数本所有していました、中学生の頃雑誌にたまたま載っていたギターにとにかく憧れ楽器やさんにその雑誌を持って行きこのギターなんですか!?と尋ねたギターがGibsonでした金額を聞き当然買えるわけもなく夢のまた夢のギターでした
    お年玉で激安のコピー品を買い当時は大変満足し毎日弾いていました。

    就職をしたその年に憧れに憧れていたGibsonを遂に手に入れた時の喜び今でも鮮明に覚えています!十数年まだ浅いGibson愛用者ですが長の字さんのおっしゃられる部屋でいつまでも弾いていたくなるお気持ちGibsonの魅力良くわかります!
    夜が更ければ更けるほどその魅力に浸ってしまうそんな感覚でしょうか
    今回のリペアでは指先が吸い付くような押え心地に拘りましたフレットの太さナット指板のRこの三つが音の鍵を握っていると私は感じました
    微妙なセッティングで大きく感覚が変わりダイレクトに音に現れます
    この微妙の差が実に難しくリペアマン魂に火をつけてくれます。

    ギターによってそのポイントが違うのもまたギターの魅力の一つだと思います
    これからもどんどん弾いて頂きまた成長した音を是非聴かせて下さい
    4カ月もリペア期間を頂き大変ご不便おかけいたしました申し訳ございませんでした
    これからも日々精進し皆様に認めていただけるリペアマンを目指してまいります!
    また是非お近くに来られた際は工房にお立ち寄り下さい
    長々と失礼いたしました良いお年をお迎えください
    失礼いたします。

    この度は工房220に御依頼を頂き誠にありがとうございました
    今後とも何卒よろしく御願いいたします。


                           工房220 松田拓夢